追加工事の「口頭OK」が、後で揉める理由
「これもついでにお願いできますか」「はい、大丈夫です」。現場でのこのやり取りが、後の請求トラブルの種になることがあります。頼む側も応じる側も、その場では何の疑いも持たないやり取りです。
この記事の要点
・口頭での追加工事の承諾は、後から金額の認識がずれやすい
・追加分だけでも、簡単なメモや写真で記録を残す習慣が有効
・「ついで」の積み重ねが、原価を圧迫していることに気づきにくい
軽い気持ちで引き受けた「ついで」の作業が、後になって高額な請求として跳ね返ってくると、頼んだ側は裏切られたような気持ちになります。一方で引き受けた側も、正当な対価のつもりが「そんなに取るのか」と言われれば、心外に感じるはずです。どちらも悪気はないのに、気持ちのすれ違いが残ります。
なぜ食い違いが起きるのか
当初の見積りに含まれていない作業を、現場でのやり取りだけで引き受けてしまうことは珍しくありません。頼む側も「大したことではない」というつもりで、深く考えずに了承してしまいがちです。口頭でのやり取りは、何を・どこまでやるかの範囲が曖昧なまま進みがちです。頼んだ側は「ちょっとした追加」のつもりでも、実際の作業量はそれなりにかかることがあります。
『ついで』の積み重ねが利益を削る
金額の話をその場でしていなければ、請求書を見て初めて認識のずれに気づくことになります。件数が多くなるほど、この積み重ねは原価を圧迫します。小さな追加ほど、うやむやにされやすいという落とし穴があります。
追加工事の伝え方、無料ルームで相談できます
記録の残し方など、実務の工夫を共有しています。
記録を残す習慣をつくる
追加工事のたびに正式な見積書を作り直すのは現実的でない場合もあります。それでも、内容と概算金額を一言添えたメモやメッセージを残しておくだけで、後の食い違いを大きく減らせます。「◯◯の追加、概算◯円、よろしいですか」という一往復のやり取りを、口頭で終わらせず記録に残す。これだけの手間で、請求時のトラブルの多くは防げます。
頼む側にもできる工夫がある
記録を残す習慣は、頼まれる側だけの努力ではありません。頼む側も「これくらいなら」と安易に口約束を重ねず、追加をお願いする時点で「概算でいいので教えてください」と一言添えるだけで、後の食い違いはぐっと減ります。お互いが少しずつ手間をかけることで、この問題は防げます。
初めて依頼する相手とは、追加工事が発生する前に「だいたいこのくらいの規模ならいくらくらい」という金額感を先に共有しておくと、後から驚かれることが減ります。
「ついで」だからこそ、記録を省略したくなる気持ちは分かります。ただ、その一言の記録が、後の気まずいやり取りから両者を守ってくれます。次に「これもついでに」と言われたときこそ、この一手間を思い出してみてください。
