若手とベテランのすれ違いは、言葉の定義がずれているだけかもしれません
「最近の若い子は言われたことしかやらない」「ちゃんと教えてもらっていない」。どちらの言い分にも理由がありますが、根っこをたどると、言葉の定義がずれているだけということがよくあります。
この記事の要点
・「ちゃんとやる」「いい感じに」といった曖昧な指示は、受け取る側の経験によって解釈が変わります
・経験の浅い人ほど、具体的な基準がないと判断できません
・指示を出す側が、言葉を具体的にするだけで多くのすれ違いは減らせます
ベテランからすれば、なぜこんな簡単なことが伝わらないのかと苛立ち、若手からすれば、何を求められているのか分からず萎縮する。どちらも悪気はないのに、現場の空気だけがどんどん重くなっていく。心当たりのある方は多いはずです。
曖昧な指示が生むすれ違い
現場での指示は、長年一緒にやってきたメンバー同士なら、「ちゃんとやっておいて」「いつもの感じで」だけで通じます。しかし、経験の浅い若手にとって、この「ちゃんと」「いつもの感じ」が具体的に何を指すのかは分かりません。悪気なく従わなかったわけではなく、単に基準が伝わっていないだけということがよくあります。ベテラン側からすると「当たり前のことを言われないとできないのか」と感じ、若手側からすると「具体的に何をすればいいのか分からなかった」と感じる。どちらの感覚も、それぞれの立場からすれば自然なものです。
具体的にするだけで変わること
・「ちゃんと養生して」→「この範囲を、このシートで、ここまでの高さで養生して」
・「いい感じに片付けて」→「工具はこの箱に、端材はこの場所にまとめて」
・「気をつけて運んで」→「この角を通るときは、いったん止めて確認してから進んで」
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手間は最初だけ
具体的にする手間は、最初は面倒に感じるかもしれません。ただ、曖昧な指示を繰り返して何度もやり直しをさせるより、最初に基準を言葉にしておく方が、結果的に教える側の負担も減ります。
若手側からも聞き返せる空気を作る
指示を具体的にする努力と同時に、若手側が「これで合っていますか」と確認しやすい空気を作ることも大切です。聞き返すと怒られると感じていると、分からないまま作業を進めてしまい、結局やり直しになります。聞くことを歓迎する姿勢を、ベテラン側から示しておく必要があります。
一度具体的に言い換えた表現は、その場限りにせず、現場の中で共有の言い回しとして定着させていくと効果的です。同じ表現を繰り返し使うことで、次第に基準が現場全体に浸透していきます。
問題は指示の受け止め方の違いではなく、指示そのものが具体性を欠いていることにあります。相手を責める前に、伝え方を一段具体的にしてみると、すれ違いの多くは解けていきます。
